PWRと絶対パワー
Zwiftのスピード計算の最もベースとなる部分はPWRです。出してるパワーを体重で割ったもの。大きいパワーを軽い体重で出せればえらい。一方で、PWRで割らない絶対パワーも速度計算に使われます。 *1
例えば150w/50kgと300w/100kgは同じPWR3.0倍となりますが、実際には絶対パワーが300wと大きい後者の方が速く走ります。
検証データ
Zwift Insiderによる具体的な検証結果を見ていきます。*2
以下同じPWRを維持したまま、体重を増やしていったときの速度の変化です。
例)2w/kgの場合、1kg増えたら2w大きくする
登り
2w/kgで1kg増えるごとに0.012km/h速くなる
3w/kgで1kg増えるごとに0.016km/h速くなる
4w/kgで1kg増えるごとに0.022km/h速くなる
75kgで1w/kg増えると4.4km/h速くなる
平坦
2w/kgで1kg増えるごとに0.076km/h速くなる
3w/kgで1kg増えるごとに0.084km/h速くなる
4w/kgで1kg増えるごとに0.110km/h速くなる
75kgで1w/kg増えると3.55km/h速くなる
下り
2w/kgで1kg増えるごとに0.206km/h速くなる
3w/kgで1kg増えるごとに0.210km/h速くなる
4w/kgで1kg増えるごとに0.214km/h速くなる
75kgで1w/kg増えると1.95km/h速くなる
例えば平坦3w/kgの条件で体重差50kgあれば0.084×50=4.2km/h変わってくるという見方です。 ちょっと雑にまとめすぎな感がありますが、目安にはなりそうです。*3
ポイントは
同じPWRで、体重が増えると常に速くなる
登りでも同様に絶対パワーがあった方がいい
下りはかなり体重が重要
とかでしょうか。
機材込みのPWR
原因はいろいろありますが、機材込みのPWRが変わる事が一つ大きいです。
例えば150w/50kg、300w/100kgの3.0倍の両者がいたとして、機材の総重量が10kgだったとします。
両者のPWRを機材込みで考えると150w/60kg、300w/110kgでそれぞれ2.5w/kgと2.72w/kgとなります。約1.1倍になってますね。登りでも重量級が速いのはこのせいです。
余談ですが、同じ理由から自分の体重が軽いほど、機材重量の重要性が上がります。 同じデータで機材の総重量を仮に半分の5kgにしたとすると2.72w/kgと2.85w/kgとなります。50kgの人の方が機材込みのPWRの伸びが大きいですね。
よって軽量級の人は、軽いバイクが有利になります。
計算機
なんか雰囲気分かったけどよく分からんという方のために簡単な計算機作ってみました。※精度は大分適当
基準の体重と自分の体重を入力して「計算」ボタンを押してください。
平坦で基準体重~kgの人と体重~kgの私は何倍が同じくらい?という計算です。
平坦PWR計算機
基準体重 | 2 | 3 | 4 | |
---|---|---|---|---|
自分体重 |
用途としては例えば、3.0wkgのグループライドに出るとして、リーダーの体重が80kgとかある場合、体重60kgの私は何倍出せばいいの?みたいな計算をする事を想定しています。
ちなみにペースパートナーズはAとCが65kgで女性設定、BとDが82kgで男性設定です。CからBに上げると結構大変に感じるのは体重のせい。
まとめ
体重が軽いから常に不利っていうわけでもありません。基本的にPWRは体重が軽い方が上げやすいからです。
300w/60kgの5倍はアマチュアトップ探せばいると思いますが、500w/100kgの5倍だせる人間は早々いないでしょう。
グランツールとか見てもいろんな体格の選手がいるので、そこも自転車競技の面白いとこですね。
自分の体格を見て、どういう脚質にするべきか考えるのも楽しいです。
ただ、カテゴリーをPWRだけ見て決めるとちょっと問題で…という話は以前しました。
まあ、よっぽどの体重差なければ誤差ですよ誤差、いつも通り気合でカバーしましょう。
*1:多分ちょっと正確じゃない表現。絶対パワーから引かれる抵抗要素の多くが体重と比例するから、結果的に最終的な速度がPWRと相関が強くなる感じかな?。知らんけど
*2:https://zwiftinsider.com/wkg-tests/
*3:実際にはこんな単純に1次相関しないと思われ