Zwifterの雑感

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Canyon Aeroad 2021の性能考察(Zwift)


 2020/10/1 Zwiftの機材マニアという極めて稀な人々に衝撃が走りました。
 2020年9月末のアップデートにおいて、現行の環境を大きく変える高性能フレームがリリースノートにも載らないまま、ひっそりと追加されていたのです。
 その名も「Canyon Aeroad 2021」。一言で言うと総合性能でトロンと並ぶ高性能オールラウンドバイクです。

 ※2020/10/3追記 これまでヒルクライム最速だったTarmac Proの性能が下方修正されました。Canyon Aeroad 2021が最強のヒルクライムバイクとなりました。

 ※更に追記、Canyon Aeroadの性能が下方修正され、最速でもなんでもなくなりました。以下の記事はそういう時代が一瞬あったんだねくらいでお読みください。 

 

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 ざっくりの結論を最初に述べると、

  • 登坂最速: Canyon Aeroad 2021/Lightweight Meilenstein
  • 山岳系オールラウンド:Canyon Aeroad 2021/ENVE 7.8
  • 平坦系オールラウンド:トロン
  • エアロ最速:Venge S-Works/Zipp 858/Super9

というのが新しい最強機材のスタンダードとなるのではと思います。

 

 

獲得条件


Drop Shopで購入可能(LV23 532,500Drops)


性能

 Canyon Aeroad 2021はトロンと違い、ホイールによって様々な性能を発揮できるのでホイールとの組み合わせで性能を考える必要があります。
 以前オールラウンドバイクの性能を検証した時は、Alpe du Zwiftのタイムで登坂性能、Tempus Fugitのタイムでエアロ性能を簡易的に測れるものとして、全フレームとホイールの組合せから有力候補を9種類あげました。*1

 

zwiftzakkan.hatenadiary.com

 以前はこんな感じでした。表の数字はコースタイムなので小さいほうが優秀です。

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 同様の手法で、Canyon Aeroad 2021を含めた全フレームとホイールの組み合わせからエアロ・登坂両方の性能で有力なものを抜き出したのが以下の図になります。*2

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 はい、勢力図が一変しました。

 Canyon Aeroad 2021が表を埋め尽くし、Tarmac ProとSL7が死にました。
 総合性能(表の赤グラフ)だけ見ても、トロンと比べても遜色ないデータが並びます。
 特にCanyon Aeroad 2021/ENVE 7.8の組み合わせは、トロンより平坦が9秒遅い代わりに、登りが9秒速く、両方のタイムを単純合計した総合値でトロンと完全に並びます。
これはつよい

 

条件別


 先の検証と同様に、登りと平坦のパーセントを変えながら最速の組み合わせを探りました。
 こんな感じです。

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 登りの割合が

  • 100%~80% Canyon Aeroad 2021/Lightweight Meilenstein
  • 70%~50% Canyon Aeroad 2021/ENVE 7.8
  • 50%~20% トロン
  • 10%~0% Venge S-Works/Zipp 858/Super9


 ヒルクライム~登りの多いオールラウンドなコースまでCanyon Aeroad 2021が食い込んでるのがわかるかと思います。


VS トロン

 前章の結果から、Canyon Aeroad 2021/ENVE 7.8の組み合わせが登坂系オールラウンド、トロンが平坦系オールラウンドといえると思います。


 じゃあ具体的にどういうコースでどっちを使えばいいの?というとすんごく難しいです。

 前章の登りが~%というのも一つの目安になるかなーとも思いますが、かなりアバウトな数値です。
 下りの事とか勾配のこととか考えてなかったりで、単純に登りの距離が50%より多いからCanyon Aeroad …っていう考え方はできません。
 あえて言い換えれば、登坂性能の50%が発揮されて、エアロ性能の50%が発揮されるシチュエーションであれば…っていう状況をごく簡易的にまとめた表です。
 分かりにくいですね。

 

 検証の前提条件も300w/75kgで4.0wkgと(一般的には)中々のハイペースです。

 これよりもPWRが出ない人はスピードが出ない分登坂性能を重視、逆に5倍キープとかができるよっていう剛脚の方は、エアロを重視すべきでしょうね。
 また、体重の軽い人ほど機材の重量が相対的に重要となるので軽量バイクを選んだ方がよいでしょう。

 

 というように、かなり脚力・脚質に左右されるのでナンセンスかなーと思いつつも、Canyon Aeroad 2021/ENVE 7.8が使える候補のコースを例として上げてみました。

・Astoria Line 8(NY)

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  NYマップ全般に言えますが、アップダウンが多く登坂力とエアロ性能両方が求められます。一例としてこのコースを上げてみましたが、ここは特に登りスプリントになるのでラスト数100mトロンより速いのでは?という期待です。
 道中の登りでもトロンより足休められるのがメリットですが、体重が軽くて下りがキツイ場合はトロンの方がいいかもしれません。

・2018 UCI worlds Short Lap (Inns)

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 こんなのも行けるかもしれません。
 20分程度の登りの後、下って平坦があってゴールというレイアウトなので、Canyon Aeroad 2021/ENVE 7.8で最初の登りでトロンよりアドバンテージを得ることができます。

 一方で、Canyon Aeroad 2021/Lightweight Meilensteinよりは大分平坦で速いです。下りと平坦が楽ですしスプリントでも有利です。

 逆に言えば登りでライトウェイトに負け、平坦でトロンに負けるバランス型の選択ですね。

 

 

 まとめ

 やはりトロンとの比較すごく難しいです。

 レースで使う場合、TTではないので勝負所に機材の長所と自分の脚質の長所をうまくぶつける必要があります。トロンより登れるので登りに勝負をかけるのか、足を休めるのか。

 レースの展開を予想して機材を選ぶ楽しみが出てきたように思います。

 更に言えば、レース中もライバルの機材を見たら、ある程度狙いが分かるので駆け引きが深まるのではと妄想しています。
 つまり、例えば長い登りのあるコースで、あえてトロンにしているという事は、登りを集団内でやり過ごして、平坦・スプリントで頑張るつもりという意思表示にならなくもないかもしれません。
 そうなれば、トロンより軽量なバイク使ってる人が、登りでゴリゴリにセレクションをかけてトロン勢を落としに行く…みたいな作戦が立ったりしたら熱いですね。

 

 まだわからない事が多いですが、今後も強い機材とか出てきて機材選択の幅が広がると面白いですね。まあ結論は前回の記事から変わりはありません。

 

大差ないから気合で踏み抜け