トロンバイクは本当に最速か?
Zwiftにおける最速の機材は何か?という問いについてはデータを整理しました。
・ヒルクライム Specialized Tarmac Pro /Lightweight Meilenstein
・エアロ Specialized Venge S-Works/ Zipp 858/Super9
・オールラウンド Tron (Concept Z1)
シンプルな答えだけど、実は検討の余地があります。ヒルクライム最速、エアロ最速については上記の通りで異論なしです。データ嘘つかない。
ですがオールラウンドバイクについては、最強候補が実はもう6種類あります。「トロン越え」があるのかどうか検証していきたいと思います。
※以下長いので結論書いちゃいますが、トロン越え明確にはありませんでした。
※2020年9月のアップデートにて大幅に環境変わりました。現在の状況は以下参照ください。
※さらにその後のアップデータでCanyon Aeroad 2021は下方修正されました。現在の環境はターマックプロが少し下方修正された他は、この記事の内容とほぼ一致しています。
最強の9種
以下の表をご覧ください。(※筆者作表)
Zwift上の膨大なフレームとホイールの組み合わせのリストを作り、それぞれの登坂性能とエアロ性能を測定します。 その中で、ある組み合わせが登坂もエアロも別の組み合わせに劣っていた場合リストから削除します(例、初期装備はトロンと比べどの場面でも遅いので排除)。 これを繰り返すと、最後に表の9種類のフレームとホイールの組み合わせが残ります。
これらは、上位互換の存在しない組み合わせです。 例えばこの9種類の中から、登坂性能をよくしようとすると必ずエアロ性能が落ちます。逆もしかり。
具体例をあげると、総合性能第二位のTarmac Pro/ENVE7.8の組み合わせはトロンバイクより平坦で21秒遅い、しかし登りで6秒速くなります。
単純な登りと平坦の合計ではトロンの圧勝ですが、シチュエーション次第ではトロンを超える組み合わせがあるのでは?というのが今回の検証の主旨になります。
コース別タイム
まずはざっくり計算
ごく単純に、9割登り、1割平坦みたいなコースのタイムが、
(Alpeのタイム×0.9)+(Tempusのタイム)×0.1で出るとします。
その登りと平坦の割合を変えながら展開したのが下表、タイムが最小のところを赤色でハイライトしています。
アカン、トロンが強すぎる…
登りの割合が
- 100%~72.5% Tarmac Pro/Lightweight
- 72.5%~14.3% トロン
- 14.3%~0% Venge S-Works/Zipp 858 Super
が最速。
往生際悪く小数点第二位までチマチマ探ったけど駄目、他の組み合わせが最速なケースは無い。
理由はトロンが強い…のとTarmac Pro/Lightweightがとにかく強力。
実はトロンを超えているオールラウンドバイクはちょいちょいあります。同じ表のトロンよりタイムがいい場所を黄色でハイライトするとこんな感じ
だけど、いずれもTarmac Pro/Lightweightに負けてしまう。
つまり、登りが弱いトロンを打倒すべく登りの多いコースにすればするほどオールラウンドバイク以上に軽量バイクが強くなっちゃう。
だがしかし!我々が気にしているのはTTのタイムではない。レースで勝てるかどうかである。
よって単純計算でない、レース展開を加味して何かないか妄想してみることとする。
※注ここまではかろうじてデータを基にした話、以下は本当に妄想
オールラウンドバイクの光る場所
レースの場合常に本気で踏み続けることはまずない。セレクション・スプリントなど勝負所だけ本気出して後はサイクリングなんてのもよくある話である。
前章までの考察からオールラウンドバイクは、トロンバイクでは登りが心もとない、しかし軽量バイクでは平坦がキツイ。そういう状況で光る。
ということで具体例を考えてみた。
- 参加クラスの中でも力がなく、短い登りのセレクションにトロンで残る自信がない。けど軽量バイクだとスタートダッシュがちょっとキツイ
- スプリントに自信がないので登りを最大限利用して逃げ始めたい。けど登りの後ゴールまで長いので平坦巡行能力も欲しい
うーん…無くは無い?でも都合のいい妄想感も否めない。 小細工するより我慢してトロンで登るか軽量バイクで平坦を死ぬ気で踏んだ方が速い気がする…?
結論
トロンの代替として明確に輝く組み合わせは見つけられませんでした。
データで考慮してない斜度とかPWRとか身長とか変数いじって何かうまい事いかないかな…という未練は一応ありますが。
後、これを言っちゃうと身もふたもないけど、トロンの代用としてこのリストは優秀
特にタマプロ/DT swissとかはLV11でアンロックできる組み合わせ。
ジェネリックトロンとして、獲得標高50,000mとかいう苦行から目をそらすには十分な性能ではなかろうか。
でも思うんだけど、あえてトロンじゃない機材にしてますとか玄人っぽくていいよね。かっこいい。
トロンに負けてるとしても、せいぜい1%未満の差だから細かい事考えず踏みまくればいいんだよね。
結論
大差ないから気合で踏み抜け