新カテゴリ分けシステム、ZMP爆誕!
では皆さん。突然ですが、現行のZwiftレースのカテゴリ分けについて不満を述べてください
はい。皆さんが落ち着くまで小一時間ほどかかりました。
恐らく皆さん感じている事でしょうが、現行のFTPのPWRで行うカテゴリ分けには課題があります。
私もこんな記事以前書いてます。
皆さんの声をまとめると大体こんな感じになると思います。
- 体重による絶対パワーの違いを考慮しておらず、重量級に勝てない
- 脚質を見ていないので、スプリンターに勝ちようがない
- カテゴリーの範囲が広すぎる(特にA)
- カテ詐欺・怪しいパワーに引きずられまくる
一応皆さんに言っておきたいのは、現行システムはわかりやすさという一点で極めて優れています。誰でもどのクラスに行けばいいのかすぐわかる。そこが最大のメリット。
まあそういう感じで納得はしています。公式でも十分楽しいし、Zwift Powerと連携した新しいレースシステム的な噂もありますし。
でも!正確に実力を評価して!レベルの近い相手と熱いレースをしたい!
ないなら作っちゃえ!
という事で、優秀な委員会メンバー(アークさん、kmxさん、猫天さん、めろさん、しろさん、MGWさん、私)
と、この問題に立ち向かってみました。結果できたのが、Zwift公式からは離れた独自カテゴリ分けによるミートアップレースです。
その名も狭間の会。今回の話の発端がABクラスの狭間にいる人で楽しく真剣勝負しよう!っていう話だったのでこのネーミングです。
やった事はシンプルです。
- 実力を(ある程度)適正に測る指標の作成
- 指標を用いて従来より少し狭い範囲でのカテゴリ分け
指標の作成
こちらについてはkmxさんに神ツールを作成してい頂きました。
元々、日本人Zwifterの脚質分析用に用いてたツールにZMP(Zwift MMP Point)という項目を追加しました。※計算方法は今後変更される可能性があります
いわばMMP(時間あたりのベストパワー)から見た総合的な脚力レベルをZMPというポイント一つにまとめたイメージとなります。
詳細な計算方法は少し複雑なので割愛しますが、ここで重要な点は
- MMPを広く見ているので脚質を考慮している
- PWRと絶対パワーの両方を見ており体重差を考慮している
という点です。
少し極端な例をあげると、
Zwift本家のカテゴリー分けだと以下の両者が全く同じカテゴリーに分類されます。
Aさん
体重50kg FTP200w 5秒MMP 500w
Bさん
体重100kg FTP400w 5秒MMP 1200w
これ同じ4倍ですけど、Aさんに勝ち目ほとんどないですよね?
体重50kg差あれば、同じ集団内にいても下手したら、1倍近くパワー追加で出さないといけません。登りに入ったとしてもPWRが同じなので千切れません。ゴール前まで何とかついてっても、1200wスプリントで終了です。
そこで、神ツールを使ってZMPを計算してみます。
元の条件に無い5分と1分のMMPは適当に埋めましたが
Aさん
ZMP:60
Bさん
ZMP:69
といったような評価になります。
ZMP60とZMP69。割といい感じじゃないですか?FTPの4倍だけ見たら同格ですがZMPでは結構な差がついています。
これを使って適正なカテゴリ分けをしようというのが今回の主旨です。
狭いカテゴリ分け
カテゴリ分けのもう一つの課題が、範囲が広すぎることです。
特にAクラスで顕著なのですが、Aの一番下がFTP4倍である一方で、Aのトップ層は5倍以上普通に出したりします。
FTPが1倍以上差があったら、まー勝てないっすよ。100%勝てないと言っていい。A下位の人は、どこまでA+についてけますか?というふるいにかけられた後、近いタイミングで千切れた人とようやくレース開始みたいな感じになります。
B以下の人もカテゴリの下限と上限で0.8倍差とかあるので、中々しんどいです。さらにはカテ詐欺の存在があって、カテゴリ上限のFTPでもまだダメ、極論A+にたどり着くまでFTPをいくら上げても引きずられ続けます。
それはそれで死ぬ気でついていく練習にはなるからいいのですが、やっぱりZwiftレースの醍醐味は先頭集団でのアタックや逃げ等のロードレース的な駆け引きだと思います。
そこに5倍とか出るまで参加できないってのはちょっと寂しいですよね。(というか一生参加できない人が普通…)
そこで今回のもう一つの狙いはカテゴリの範囲を狭くすることで、ガチ勝負の機会を増やすことです。
まだ暫定の段階ですがZMP5ポイントごとにカテゴリー分けをします。
67~71:松クラス
62~66:竹クラス
~61 :梅クラス
1ポイント差がどの程度かあまり分からない方も多いでしょうし、私もあんまりピンと来てないですが、
5ポイント差というのは脚質・展開次第でワンチャンある数字だと思ってます。
これで実力の近い相手と切磋琢磨をすることで強くなれる!また、負けた時言い訳できる要素がないのでメチャ悔しくなるはずです。
課題
ちょっとだけ懸念している事も一応書いておこうかなと思います。
ZMPの計算も完全ではない
MMPと、体重から計算するZMPはZwift本家のカテゴリ分けより正確なのは間違いないですが、まだ課題が残ります。
パッと思いつくのはインターバルの耐性ですね。例えば約一分の勝負所となる坂があったとして、
同じMMPでもある人は1分のMMPの80%を何度も繰り替えせるかもしれません。
しかし、ある人はMMPの80%を2回出したらもうオールアウトかもしれません。
この課題は残ります。
強度下がる疑惑
これは私も経験あるのですが、ほぼ同じ脚力でレースカテゴリをそろえた場合、かえって全体の強度が落ちる可能性があります。
つまり、お互い同レベルなので、脚の無駄使いができなくなり、普段の集団のペースが何となく楽なところに落ち着きがちです。
まあ勝負所では普段以上にクソ踏まされたりしますし、アタックもわけわからん本数・強度でかかったりするので普通にキツいのですが、強い人に食らいついてL5ばっかり踏んでる!みたいな感じにはなりにくいのかなと。
よく言うような格上の人に引きずり回されるのが一番練習になる…的な発想からはちょっと離れちゃいますね。
ここは公式レースとの住み分けでしょうか。逆に言えば、勝負所で一気に爆発する練習や、ここぞというところ以外節約するZwiftのレース感を養ったりのにはいいかもしれません。まあやってみないとわからないのですが
※追記 全然強度下がんない。毎週つらい
まとめ
このミートアップレースでこうなったらいいなーと思ってることが二つあります。
一つは、駆け引きのあるレースをだれでもできるようにすること。先ほども少し述べましたが、普段の公式レースと展開結構違ってくると思います。
理由を簡単に言うと同ZMPのスプリンターはクライマーに比べてFTPが低くてちぎれやすいからです。
このまま動きなくゴールまで行って自分はスプリント勝てるか?スプリントで勝ち目がないなら、アタックしてスプリンターちぎれないか?とか
誰々がアタック行ったけど、最後まで逃げ切れるわけないから適当にほっといて、吸収するタイミングでカウンター打ってつぶそう!とか
かなり頭を使った、駆け引きのあるレースになっていくのではないかと思います。前述の通り、全体の強度こそ落ちるかもしれませんが、緩急と駆け引きの激しいクソ楽しいレースになることを期待してます。
もう一つの希望は、小さな成功体験が積める場所を細かく段階的に作ることです。
ぶっちゃけカテ詐欺ばっかのCDとかでモチベーション保つのは中々キツいです。A+級に振り回されるA下位も結構しんどい。
実力が近い相手とお互い張り合うことで、小さな勝利を積みながら成長する。今は弱くとも少しずつ限界を伸ばしていっていつかはAの頂点へ…という流れができるといいですね。
ZMPを使ったカテゴリシステムですが、もちろんどなたでも利用いただいて構いません。狭間の会は、近いうちうちミートアップの招待上限(+運営のキャパ)超えかねないと思っているので、類似ミートアップ大歓迎です!
こういうの楽しそうじゃないですか?みんなで真剣勝負しようぜ!