Zwifterの雑感

Zwifterが海外情報中心に集めたZwift知識と適当な考察を残します。メジャーな情報は他所にまかせてニッチにマニアックに

レースカテゴリの現状と展望

 ZwiftレースはFTPによってカテゴリーが分けられています。
 FTPによるカテゴリ分けは、現状機能してはいるのですが、海外掲示板とかではこの是非について盛んに議論があります。
 この記事ではカテゴリ分けのルールを確認した後、将来的に解決していきたい課題を考えたいと思います。
 ※ここで扱うのは概ねスタンダードとなっているZwift Powerのルール。Zwift本家のルールはFTPの絶対値を見ません。基準が二つあるのが一番の課題という気がしないでも(略

 

カテゴリーのルール

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 この画像が基本です。Zwift Powerで定められたカテゴリ分けのルールになります。*1
 基準は二つ、FTPを体重で割ったPWRと、体重で割らないFTPそのままの絶対パワーです。この両方が基準値を超えたら上位カテゴリに行かないといけません。

 ここでいうFTPは3ヶ月以内にレース中に記録された20分パワーのベスト3の平均。レース中に20分頑張ることが少ない場合は別途FTP計測して判断するのが無難です。

 

 PWRと絶対パワー両方ある理由は、軽量級ライダーへの救済措置です。
 別記事で書こうかと思いますが、150w/50kgと300w/100kgは同じPWR3.0倍ですが絶対パワーのある300w/100kgが圧倒的に有利です。
 よって絶対値の制限に至るまではカテゴリーを上げなくていいよという特例が認められてます。(例249w/50kgは4.9倍とかあるけどBでいい)
 体重63kg以下の人はこのルール関係してくる可能性があるので注意しましょう。
 もちろん基準超えてないけど上のカテゴリー行くのはOK。私もFTP3.9倍だけどたまにAに出てボッコボコにされてます。

 

FTPによるカテゴリ分けの課題

 現行のカテゴリ分けの最大の利点はわかりやすさです。FTPというZwifterであれば即答できるであろう値を使うのでレースに慣れていなくてもどこで出ればいいか簡単にわかります。
 しかしFTPによる分類には課題があります。少し細かく見ていきますが、大前提として現在のカテゴリー分けルールには従いましょう。
 カテゴリー詐欺ダメ、絶対

 

体重差


 前述の通り、PWRが同じでも絶対パワーが大きいほうが強いため、Zwift Powerでは昇格の条件に絶対パワーをつけています。が、それが十分ではないという主張です。

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 例としてBクラスの上限に達した時のPWRとFTPをグラフ化してみました。C・Dクラスもほぼ同様です。
 63kgより下は軽量であるほどPWRに強みがあり、63kgより上は体重が重ければ重いほど絶対パワーが出せるのが分かるかと思います。

 軽量級の救済が始まるのが63kg以下なので、依然65kgと90kgとかでは絶対パワーが260wと360wになって100w差ついちゃうんですね。

 特に欧米系の外国人男性の体重って大体80kgとかが普通で70kg切ったら軽量級みたいな感じだと思うので、体重差問題は解決してないよという主張です。

 ちなみにグラフの谷にあたる63kgはPWR・絶対パワー両方のメリットが一切得られない一番不利な体重となりますが私の体重は63kgです。


脚質


 ごく単純に言って、同じ体重で

  •  FTP4倍、スプリント超得意1,000w余裕っていうスプリンター
  •  FTP4倍、スプリント苦手で500wくらいしか出ないよってクライマー

 がいたとして、両方同じクラスとなります。
 が、明らかに前者の方が勝ちやすいじゃないですか?

 スプリンターはひたすら誰かの後ろについて、最後ドカン!が理想の勝ち方ですが、クライマーはこれを拒否できません。FTPが一緒なので千切りようが無いのです…
 極論B以下のカテゴリには長時間高出力を出すのが得意なクライマーは存在しません。同じFTPでさらにスプリントを持つ上位互換がいっぱいいるからです。

 仮にこの問題が解消されたらBクラス以下のレースの展開がらっと変わる可能性が結構あります。

  •  FTP4倍 スプリント1000wのスプリンターと
  •  FTP4.5倍 スプリント500wのクライマー

 が同じ土俵に上がることになります。(※数字は適当)

 こっちの方が楽しいレースになりそうですよね。
 クライマーによるセレクションと根性で耐えるスプリンターみたいな構図見てみたいです。
 後は妄想ですけど、ごく簡易な脚質とか名前の横に表示して、走ってる相手の得意分野わかると楽しそう。
 あいつスプリンターだ!落とすぞ!みたいな。


じゃあどうする?


 海外の議論で優勢かつ、個人的にもよさげだなーと思ってるのが、結果ベースのクラス分けです。
 例えば、ZwiftPowerのRank*2300以下はAで400以下がBねみたいな感じ
 勝てば勝つほどクラスが上がっていって、負ければ落ちる。
 体重があって絶対パワーが高いとか、20分以外に得意な分野があるとか、インターバル耐性がすごいとか、等しく評価されます。
 これなら上記の問題全部解決する。やったね。


 もちろん、下位カテゴリ詐欺に行って格下ボコってからわざと失格とかDNFして、カテゴリ上げないようにする…みたいな事できる余地はあるんだけど、それはもう明らかにアウトでしょ。品性を疑う。
 現状のルールに従ってるのに不公平が出るっていうよりは健全なのではないかと思います。

 

まとめ

 

 はっきり言ってしまえば現状、基準が青天井のAクラス以外は、体重・脚質等で有利不利が結構出ています。実際ガタイのいい外国人の絶対パワーに引きずり回されるだけだからレースには出ないという声も何度か聞いた事があります。

 なのでカテゴリー分けのルールを調整することで、Bクラス以下の特にC・Dクラスのレースに参加する人が増えてZwift全体が盛り上がるのでは?という期待は個人的に大きいです。

 今後、外部サイトだったZwift Powerの機能を吸収して、このあたりの課題を解決しますという事はZwift公式が明言しているのでどういったものがいつできるか。非常に楽しみです。

*1:※イベントで別のルールを定めている場合は従いましょう

*2:Zwift Powerで成績を表すポイント。低いほど好成績