Intervalsの適当な使い方 その2
Intervals.icuでデータ分析から各種の数値が推計されることがありますが、その意味と推計方法について備忘用に仮説をまとめます。
私は全く専門知識無いので、フィクションとして読んでいただければ…
後、多分用語の使い方とかすげー素人くさいだろうけどごめんね
用語の雑な解説
eFTP
Estimated FTP
Intervalsがデータから推計したmFTP
mFTPとはすごく雑に言うと、FTPの修正概念。
FTP(Functional Threashold Power)は本来は文字通り機能的閾値として有酸素運動と無酸素運動の閾値となる数値とするべき
だけど、実測が難しいのでコーガン式では60分の平均パワーをFTPであると仮定した。
ただ、実感ある人も多いだろうけど必ずしも有酸素運動の限界で60分運動できない事も多い。私もムリ
そこで、mFTP(Modeled FTP)とTTE(Time To Exition)を導入してそこを修正。有酸素運動の範囲内で出せるパワー(mFTP)とそのパワーを維持できる時間(TTE)をセットで計測・運用するとした
人によっては30分出し続けられるパワーがmFTP(=有酸素運動の限界)だし、ある人は50分みたいな感じ
実際のテスト方法とかはちゃんとした情報はググってね*1
ポイントはeFTPは通常のFTPではなくmFTPである事!なのでそのままワークアウトとかに使うとちょっと危険かもね
TTE
前述の通りmFTPを維持できる時間。IntervalsでeFTPが推計されるとき必ずセットでこちらも出てくる
W'J
無酸素運動の容量
mFTPを超える運動でW'Jが消費され、mFTP未満のパワーでいるとW'Jは回復していく
消費の式は結構単純にパワーからmFTPを引いたもの×秒数なので
例)mFTP250wの人が300wで5分オールアウトした場合
(300w-250w)×300(秒)=15,000(J)
これがこの人のW'Jとなります。
これを変形すると、TTE以下で限界努力をした時のMMPは
MMP=eFTP+W'J/秒数
と表せます。回復側の式は不明
W'bal
W'J の残量を時系列で表す指標。Intervalsではグラフ化して表される
推計方法の推測
STEP1
実際のMMPカーブはコンディションやらその時間のテストをしてないやらで当然凸凹しているはず。
だけど、MMPカーブの中で優れている二点があれば、その両方を通るように全時間で最大努力をした場合のモデルMMPカーブを推計できるはず。
どこが優れている二点かという計算とかは詳細不明。Morton's 3 Parameter Modelとかいう理論?で何か上手い事やってるみたい
見つけられたモデルMMPカーブを作る二点にはIntervalsの画面で丸が付く
薄い線で示されているのがモデルMMP
この二点を見つけ出すのがSTEP1。ここはまあそんなもんかなくらいでいいと思います。
STEP2
eFTPとW'Jの推計
前述の通り全てのMMPはW'J/秒数+eFTPと表せます。
変形するとW'J=(MMP-eFTP)×(秒数)となります。
この式のイメージを図で表しました。
STEP1で見つけた二点のMMPを表すグラフです。
縦軸はパワーで横軸に時間をとっています。左が5分のMMP、右が20分のMMPです。
図の緑色の部分は有酸素運動の部分、赤色の部分は無酸素運動として図示しました
当然ですが、短時間の方が無酸素運動の割合が大きくなっています。
ここで、図の緑色と赤色の境目は「有酸素運動と無酸素運動の閾値」となります。そうですね定義通りのFTPです。eFTPはこの境界線として表せます。
そしてW'Jは「W'J=(MMP-eFTP)×(秒数)」言い換えると「(eFTPを超えた部分)×(秒数)」となりますので、これは赤色部分の面積にあたります。
当然、二つのグラフでeFTPとW'Jは同じなので境界線と赤色の面積が一致するようなeFTPとW'Jの組み合わせがあるはずです。
ここまで分かれば、先ほどの公式に二点それぞれの数字を当てはめた連立方程式が作れます。
W'J=(300-eFTP)*300…①
W'J=(250-eFTP)*1200…②
これを解くと、
(計算は省力!中学数学?)
W'J=20,000
eFTP=233
これでW'JとeFTPの推計ができました。
STEP3
後はTTEを出します。
これは単純に過去eFTPを実際に出し続けられたMMPを見ればいいだけ
よって、MMPカーブとeFTPの交点がTTEとなります。
実際の計算とは細かくズレるので何か高度な補正色々してるんでしょうが大まかにはこんな感じの推計方法だと推測します。
ついでに言うと、この方法だと多分TTEは多くの場合実態より短くなると思います。なぜなら、MMP二点は最大努力に近いものが選ばれる一方で、TTEの根拠となる交点はたまたまぶつかった点であり最大努力でも何でもない可能性が高いからです。
色々な時間でTTしてる人とかは大丈夫でしょうが。
目的は何だっけ
推計方法を確認しだした理由はなんだったか思いだすと、便利な数値を出すことが目的だったはずです。
細かい理論とか数字をいじるのも楽しいですが、とりあえず使えればええねんの精神が大事なはずです。
eFTPとTTEは楽しい指標ですが、ちゃんと使うには結構勉強して、それ用の計測やトレーニングが必要だと思ってます。
特にヒルクラで目標の大会が明確にあって…みたいな場合には使えそうなのかな?知らんけど
個人的にはちゃんとeFTPとTTEに合わせてプランを練れるレベルでない普通の人はeFTPは基本無視していいんじゃないのくらいに思ってます。
だけど色んな数字出てくると楽しいよね
後、何度も言うけどこの記事に書いたこと基本フィクションだと思ってください。全然ちゃんと調べてないので&違うとこ指摘してくれると助かる
補足(推計区間の調整)
短時間強いパンチャー系の人とかだと、STEP1で選ばれる二点が短時間によりすぎて、eFTP過大でW'Jが過小、TTEもかなり短くなるケースがあります。
間違ってもそのeFTPを通常のFTPと誤認してワークアウトしだすと大分ヤバイので避けるべきです。
Intervalsの注意書きにもeFTP高すぎる場合はEsitimated Durationを調整してね的な文言があります。そういった場合設定画面のここをいじりましょう。
無酸素の寄与度が高い短時間の区間をeFTPの推計区間から外せます。
デフォルトは180秒。私は適当に800秒としてますが、結構長めだと思います。
1200秒(20分)で設定するとZwiftとかで自動計測される通常のFTPとほとんど同じものになるので運用が楽な気がしています。
*1:南部先生のブログがおすすめ